Twitterのpeingでこんな質問をいただきました。
内容は「4→3戦法が倒せない」というものです。しかし私は対4→3戦法は期待勝率8割はあると考えています。そのための作戦をご紹介します。4→3戦法は主に2つの指し方があります。
①△2四歩から飛車交換を狙う指し手
ここから▲2四同歩△2四同飛として飛車交換を狙う。飛車交換は打ち込みの少ない後手が有利。
②△4四銀〜△5五銀して模様をとる指し手
ここから△3三桂〜△4四飛とするのが一例。手詰まりになりやすく先手がやや不満
それぞれ代表的な対策を渡辺明棋王が立案しているので、(相手はいずれも久保利明王将)その棋譜を紹介しつつ4→3戦法を倒していきましょう!
ポイント①△2四歩の仕掛けには、端歩の突き越し+▲5八銀
参考棋譜 第73期A級順位戦9回戦 渡辺明二冠-久保利明九段
△2四歩の飛車交換狙いの仕掛けのポイントは2つです。
ポイント①1筋の端歩を突き越す事
ポイント②△2四歩と突かれたら、すかさず▲5八銀として金銀の連結をよくする事。
ポイント①がなぜ重要というと相手が4→3戦法の時は1筋の端歩を絡めて攻めに行く場合が多いです。題材としている渡辺ー久保戦でも端歩を尽くしてて攻めを実行しています。
ポイント②が重要なのは4→3戦法の「飛車の打ち合いに強い」という主張を消しているからです。先手の陣形もかなり金銀の連結が良いので飛車の打ち込みに強いです。
①まず端歩を突き捨てる
②次に1二歩と叩いて飛車を打つスペースを作ります。
③空いたスペースに飛車を打ち込みます
④香車で2三に打ち込むための歩を調達します
⑤調達した歩を2三に叩きます
⑥金が上ずったので3二角と捨て駒をします
⑦金の両取りで技あり
渡辺棋王にこの対策を見せつけられてから久保王将は4→3戦法をほとんど採用しなうなりました。渡辺竜王の研究恐るべし。
ポイント②△4四銀には自陣角
もう1つの主流な指し方である△4四銀に対しては自陣角を狙いましょう。
ポイントは
①5六角か6七角と打って相手の飛車を狙う
②5五銀には6六歩とついて角の利きを維持する
③飛車先を交換して相手の金と飛車の動きを牽制する。
この3つをやれば作戦勝ちになります。
①△4四銀の瞬間に▲5六角と打ち、△3三飛を強要する。(飛車を横に逃げられないために、1六歩と突いておくことを忘れずに)
②▲6六歩とつく事で△5五銀と出られた時に、▲6七角と引けるようにする。
③飛車先交換をする事で相手の3二金を釘付けにする。
こちらの対策は▲5八銀の時ほど明解ではないので、以下は渡辺棋王の棋譜を見るのをお勧めします。
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