竜王戦のエピソード

カイトです。今回もよろしくお願いします。本日は羽生善治竜王への挑戦権を争う第31期竜王戦の1組の決勝戦が行われています。また先日は藤井聡太七段が5組ランキング戦の準決勝で船江恒平六段を破り、史上最年少で七段昇段を決めたのも記憶に新しいです。藤井聡太七段が今年こそトーナメントで1組の棋士を破ってスターダムに登るのか注目度大の棋戦と言えます。そんな竜王戦にまつわるエピソードについて紹介していきます。

ランキング戦1組優勝者は挑戦できないジンクス

竜王戦は本戦トーナメントの前に1組から6組までのランキング戦が行われます。上のクラスになるほど賞金額やトーナメントのシードが大きくなる仕組みです。ちなみに6組優勝者の賞金は93万円なのに対し、1組優勝者の賞金は460万円です。
しかしランキング戦1組の優勝者は竜王に挑戦できないというジンクスが長らく続きました。第19期からは1組優勝者は本戦の準決勝からスタートにもかかわらず、挑戦者になる人は現れませんでした。このジンクスは第24期竜王戦で丸山忠久九段が竜王に挑戦したことで破られましたが、実に四半世紀の間、1組優勝者が竜王に挑戦できないという時代が続きました。ちなみに竜王戦1組優勝者で竜王を奪取した事例は未だに出ていません。

史上初の3連敗から4連勝の逆転防衛

(1)永世竜王の規定の決まり方

昨年末羽生善治(当時棋聖)が渡辺明(当時竜王)から4勝1敗で竜王を獲得し、永世竜王を獲得しました。その功績が評価され国民栄誉賞を獲得し、将棋界に限らない大きなニュースとなりました。実は、羽生善治竜王が永世竜王に挑戦したのは4回目です。ちなみに永世称号の獲得条件は棋王戦の連続5期や王将戦の通算10期など、5の倍数になっている規定がほとんどですが、竜王戦だけは通算7期or連続5期となっています。なぜ7という中途半端な数字なのかというと実はこれにも羽生善治竜王が関わっているとされています。竜王戦は8大棋戦の中でも比較的新しいタイトル戦で、永世称号の規定を決めるのが他の棋戦よりも遅かったのです。そこで永世称号の規定を決めるときに条件を決める会議が開かれました。連続獲得5期は大体そんなものかとまとまり、通算何期獲得で永世称号を認めることにしようかという議論がおこなれました。竜王戦は当時は連覇が難しい棋戦として有名で10期獲得するのは大変そう思われていました。(後に渡辺明棋王が9連覇を果たします)なので通算10期よりは少なくしようとしました。そこで当時竜王位を1番多く獲得していたのが羽生善治竜王で通算6期でした。なので「羽生さんがあと1期竜王を取ったら永世竜王にしよう」という事で通算7期という規定が作られたと言われています。
(2)羽生竜王の4度の永世竜王への挑戦

四度目の正直で永世竜王を獲得した羽生善治竜王・棋聖

羽生善治竜王の1回目の永世竜王の挑戦は同期で同い年の森内俊之名人との第16期名人戦でした。結果はなんと0勝4敗のストレート負けでした。羽生竜王が7番勝負でストレート負けするのは初めてで、これが唯一です。ということで初回の永世竜王へのチャレンジは失敗しました。
続いて2回目の永世竜王の挑戦が当時竜王4連覇中の渡辺竜王に挑戦した第21期竜王戦です。通算6期の羽生善治(当時名人)と連続4期獲得の渡辺明竜王の対決となり、どちらが勝っても初代の永世竜王という勝負になりました。羽生善治(当時名人)は出だし3連勝で内容も渡辺明(当時竜王)を寄せ付けないものでした。しかし第4局に打ち歩詰めの形で渡辺明(当時竜王)が1勝を返して流れが変わりました。第4局は羽生さんにすぐ刺されたら投了をしようと思っていた局面で、羽生名人が水を飲みはじめその間に逆転の筋を見つけたそうです。結果は渡辺明竜王が史上初の3連敗の後4連勝という大逆転で七番勝負を制し、初代の永世竜王の称号を得ました。2年後の第23期竜王戦でも永世竜王に挑戦しましたが、4勝2敗で惜敗。昨年の第30期竜王戦では「今年で最後の挑戦になるかもしれない」と羽生竜王が公言するなど、かつて無いほど鬼気迫った意気込みで臨んだ羽生棋聖が4勝1敗で渡辺竜王を破り、4度目の正直で竜王を獲得しました。

藤井聡太、史上初29連勝の獲得と最年少七段

早くも竜王戦で伝説を残している藤井聡太七段

竜王戦のエピソードを語る上で欠かせないのが藤井聡太七段です。デビュー初戦では加藤一二三九段との最年長棋士vs最年少棋士の対決が行われ話題になりました。6組の竜王戦も破竹の勢いで勝ち上がり、決勝トーナメント進出を決めました。決勝トーナメントの初戦では5組優勝の増田康宏五段に勝利し、連勝記録を史上最高の29連勝に更新しました。連勝記録は今後破られないだろうと言われていた記録の一つで、その記録をデビューからノンステップで更新してしまいました。藤井七段の活躍は社会的な注目を集め、藤井フィーバーを起こしたのはご承知の通りです。さらに今年の第31期竜王戦では5組で決勝進出を決め、2期連続昇級の規定を満たし、史上最年少で七段昇段を決めました。仮に今年藤井聡太七段が竜王獲得をすれば八段昇段が決まります。まだまだ気が早いですが、「藤井七段なら有り得るかも?」と思わせてくれるところがすごいところです。

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