羽生善治竜王は、なぜずっと第一線で活躍できるのか?

先にリタイアした森内俊之九段の目

40代後半ともなると、仕事はもうひと踏ん張りの時期ではあるが、体力は確実に落ちている。

今後の人生に備え、考え方を変える時期ですが、将棋界も例外ではありません。

長い時間、脳を駆使する将棋、経験がモノをいう部分は大きい。しかしその反面、対局時の集中力など、歳をとると確実にハンデも増えてきます。総合すると30代後半あたりが1番棋士として脂が乗る時なのだとか。

しかし、羽生善治竜王は、40代後半にして第一線の実力を守り続けています。

なぜ、こんなことが可能なのか?

先に順位戦を引退、フリークラス棋士となった同い年の森内俊之九段が、その強さを分析しています。

森内俊之九段と羽生善治竜王は同じ70年生まれ、羽生善治竜王とは小学校からの付き合いですが、21世紀に入るまで、森内俊之九段はずっと羽生善治竜王に追い付けぬままでした。

しかし、02年森内俊之九段が竜王を獲得、ここから10年あまり2人は互角の対決を続けます。

森内俊之九段が感じた羽生善治竜王の強さとは‥

トップであることが日常

羽生善治竜王といえども、当然スランプはありますが、それが泥沼化しないのが、大きな特徴。負けで焦ることが無く、緩やかに実力を戻してくるというイメージなのだそう。

一般的にタイトル戦となると「緊張」など、非日常感が漂いますが、羽生善治竜王にとっては「日常」であるように見えるとのこと。

どんなときも自然体なのです。

そして、自分の手を隠さず、情報公開する、という点。

今はAIもあるため隠しても意味がありませんが、それ以前から「有効な戦略を隠して相手に勝つ」という発想はないタイプのようなのです。

自分が研究した手に驚いてもらえばニュースになり、他の棋士はそれに対し、研究を始める。

実際、第30期竜王戦第2局で「雁木」という戦略を取り、話題になりました。この型は古いとして、あまり使われなかったのですが、AIが得意とすることで見直された手、羽生善治竜王は実戦でこれを使用し、勝利したのです。

将棋への愛情と勝つための好奇心が、羽生善治竜王の原動力と言えそう。

加齢との付き合い方

精神的には、このように攻めの姿勢を続けることで、実力が維持できている羽生善治竜王。

加齢との付き合い方は、若いころほど多くの手を読めなくなってきたので「引き算」で考え、打っている、という考え方に。

「ここぞ」という場面で、集中力を使うなど、緩急を付けた頭の使い方をするようです。

これは経験が無くては出来ないこと、若い時に多くの引き出しを作っておき、今も中身の点検を怠らず、最新の情報をインストール、そしてそこから最小限のエネルギーで最善手を出す。

今の自分のベストを出す方法を絶えず考える、中年以降の生き方のお手本ですね。

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